HOME > 委員会情報 > 競技運営委員会審判部会 > ルールの解釈・運用に関するQ&A(ハンマー投の囲いについて)

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競技運営委員会審判部会

Q. オリンピックの中継を見ていて気づいたことなのですが、ハンマー投の囲いが、異常に狭く見えたのですが、カメラのせいなのでしょうか?また、囲いの扉部分が、扇型の角度線の中に入っていましたが、あれではハンマーが当たってしまいファウルになりませんか?

A. アテネオリンピックは日本選手団の活躍で活況を呈して終了しました。日本陸上陣も野口選手のマラソンと室伏選手のハンマー投で金メダルを獲得した上に、男子の両リレーでの4位入賞とまずまずの成果が上げられました。そのハンマー投を応援していらした方から寄せられた質問です。
ご指摘のようにハンマー投の中継映像で投てき方向と反対側から撮られた映像では間口が非常に狭く感じられた方が多かったと思います。実際、本年度ルールが変更されており、間口の部分は約3m長くなっているため狭く見えていたのです。左下の図を参照していただけばわかりますが、上が現行のIAAFの規格です。下が日本陸連の規格(昨年までのIAAFの規格)です。新規格の囲いでは左右1枚ずつ2m800のサイズのパネルが加わっています。そのためサークルの方向から投てき方向を見ますと非常に狭い感じを受けるのだと思います。また、さらに高さも囲い本体と移動パネルの部分で1mずつ高くなっています。
さて、この囲いの規格変更は〔備考〕として扱い日本国内では適用しておりません。ルールでは第192条(1)「ハンマー投げは観衆、役員、競技者の安全を確保するために囲いの中から投げる。(中略)本条に示す仕様が適用できない場合、特に練習場では、もっと簡単な構造でもよい。本連盟もしくはIAAFから指導があった場合にはそれにしたがう」となっています。よって、囲いの使用は義務づけられており、ルールを変更すれば競技場設置者に購入の義務も発生します。その負担が膨大なため経過措置として国内適用を見送っております。
また、この囲いは円盤投とハンマー投で兼用しているため使い方が異なります。ルールでは第192条(4)「2枚の幅2mの移動パネルを囲いの前方に取りつけ、試技の際にどちらか1枚を動かす。パネルの高さは、安全を確保するために最低9mとする。
〔注-IAAF〕1 左側の移動パネルは右投げの競技者、右側のパネルは左投げの競技者のために使用される。右投げ、左投げ両方の競技者が参加している競技会で、1枚の移動パネルを右左と動かす必要がある場合、パネルを動かすには多少の手間を伴うが最短時間で作業することが要求される」となっておりヒンジで接続された可動パネルを開閉することになっています。内側に閉じられた可動パネルに当たるような飛び方をするハンマーは当然、角度線外に飛びだしてファールになってしまうものだからです。9月のスーパー陸上では、室伏選手の6投目が大きくそれてトラックに飛び出しました。このような投てきも国際規格の囲いであれば防げたかもしれません。
一方、円盤投ではこの可動パネルは使用しません。円盤が当たらないように外側に開いておかなくてはなりません。

円盤投・ハンマー投兼用囲い(IAAF)



円盤投・ハンマー投兼用囲い(JAAF=日本陸連)